万能細胞をお酢で生成!?

やあ、トンデモっすなぁ。

酸に浸すだけでメチル化が解除されるわけがない。
酸に浸すことで幹細胞が多く生き延びただけなのを誤解したのだろう
あるいはコントロールが悪くコンタミを誤認したとか

――というのがTV報道を見た時の印象。


要するにTV騒ぎすぎ。
誤報でなければよいが…
と思っていた。


しかし一夜明けて、理研のわかりやすいリリースを読むと、なかなかしっかり裏を取ってる印象。


利根川進ノーベル賞を受けたT細胞内の抗体の多様性を生み出す遺伝子組み換え機構。 *1
T細胞が幹細胞に変化したなら、かならず遺伝子が組みかわっている。それを証明。


しかしあり得るのか?
従来の生化学反応だけでは酸に浸してメチル化が解除される機構が説明できるとは思えない。酸に浸すというストレスを受けたことで細胞の「初期化」プロトコルが発動したと考えるほうがまだ自然。

細胞のガン化の機構はよく調べられてきたけど、これも書き換えられるんじゃないのか?
ガン抑制遺伝子の障害とか成長抑制遺伝子の障害とかが蓄積してガン化するという知見が覆ることはないだろうけど、そもそものガン化の根っこにストレスによる細胞の「初期化」があるのかもしれない。
タールやアスベストというストレス因子がガン化を引き起こす背景にはSTAP細胞化をおこす機構があるのかも…


それにしてもSTAPを起こす機構は何に対する適応なのか?
障害を受けた組織再生に役だっているのか?
それとも単純にストレスが本来の役目とは別の機構の引き金になっただけなのか?

エピジェネティクスの機構を再考するというか、本質的な機構解明の突破口に可能性だってありそうだ。


ところで、何度かの細胞分裂を経てきた体細胞を組織再生のためにさらに分裂させたら、ガン化のリスクは絶対否定出来ないと思う。iPSよりリスクが「低い可能性」とか報道されてるようだけど、ちょっと慎重性に欠けてないかなぁってのが心配かもね。
100年後を見据えてとかいう会見での発言は、応用研究に突っ走ったりしませんっていう宣言なんだろうなぁ。まだとっても若いし、政治に翻弄されない事を祈るばかり。


3/12追記:

やあ、トンデモっすなぁ。
――ではすまないイキオイになってきてるみたいですね。先月半ばくらい?から。
T細胞の部分もでっち上げみたいな話も出てきて。*2
最初の一報に接した時、とっさにトンデモ批判業界の人達はどんな反応するのかなと思ったりしたんだけど、結局、最近、黒影さんとかもツイートしてはるし…

ビッグデータは機械学習が重要かも

最近、統計学に注目が集まってるみたいだけど、もしかしてビッグデータを扱ううえで重要なのは機械学習系の応用なんじゃあなかろうか?


統計学で得られる知見ってのは、先に立てた仮説の検証って形になると思う。そう、あらかじめ予想されたことしか確認できない。


それより、新たな知見を自動学習で得られるような機械学習系のアプローチが重要になってくのではないか?


機械学習自体の精度向上も重要。駅のカメラ付き自販機からのおサイフケータイでの画像つきの大量の購入履歴とか、重要なデータ資源。


もちろん、その基礎のひとつとして統計学が重要なのは論をまたないとは思うけど。


統計では、無闇矢鱈にでかい標本数があっても得られる知見は向上しないと指摘して安易なビッグデータ流行りを戒めるブログエントリもみかけたけど、これも機械学習が重要だと考えると、話が変わってくると思う。


多変量データを高次元特徴空間で扱って機械学習させることでなんらかの意味のある知見を得ようとすると、大量の学習データがあるビッグデータの重要度は高い可能性がある。


高次元特徴空間では、標本密度がすんごく下がるからね。ワザと下げてる場合もあるわけだけど、良い学習結果を得るにはやっぱり大量の学習データがあったほうがいいだろう。


教師なしの自動学習で質の高い結果を得るには、試行錯誤の効率の低さゆえに、これも大量の学習データが必要になるだろう。

インフレ批判

円安のもとで輸入物価が上がって価格転嫁できない企業の収益が圧迫されているという批判がやっぱり出てますねぇ*1
価格に転嫁できないのは、供給に対して需要が過小というのが主要な要因だろうけど、予想インフレ率が限りなくゼロに近いからという面があるわけで。もしもインフレ率がそれなりの大きさの正の値であれば、コスト上昇分の転嫁は需要に対してインパクトが小さくなるはず。だから予想インフレ率を上げるためという観点からは円安のもとで輸入物価が上がるのも望ましい。
そしてインフレ率がそれなりの正の値をそれなりの期間維持すれば賃金上昇圧力になり、インフレの潤滑油効果も生じてくるはず。インフレの潤滑油効果というのは失業率の改善に対して言うらしいけど、失業率だけでなく、種々の物価の適性水準を探る市場の機能に対してもインフレ(の潤滑油効果)が必要だという気がすごくするんだよね*2

*1:インフレ自体を批判してるわけじゃないのはすごおい進歩だけど。アベノミクスっていうキャッチコピーの絶大なる宣伝効果だね

*2:ただし、これはオレのカン(笑) 賃金の下方硬直性による「市営バス運転手の高すぎる給与」とかデフレ補正されなかった年金の「過剰支給」とかはインフレが解決すると思うし、デフレで価格転嫁しにくいってのもインフレが潤滑油になるんじゃないのと

TPPに参加する理由がわからん

関税が撤廃されるとなにか有利になるんだろうか?
日本からの工業製品の輸出が競合国に対して有利になる?
それで黒字を貯めこんで円高になったら*1TPPでの関税分など吹き飛んでしまうんじゃないか?

そもそも今般の円安局面で(おそらく主に金融緩和策が気に入らない層からだと思うが)輸出が伸びていない、輸出品の工場はあらかた海外に出てしまったなんて指摘が出ている。
日本企業がTPP非参加の中国やASEAN諸国で組み立てた自動車や家電の関税もTPPで撤廃されるのか?
工場を今度はベトナムに集中させるのか?
それは日本国民の福祉、福利の向上に資するのか?

もしも混合診療が認められれば、医療保険のマーケットが拡大する。
混合診療を前提にすると、今でさえ赤字財政のもとで継続して診療報酬を抑制し続けてきた厚労省が新規に保険診療と認める医療や薬は現在より抑制されることだろう。
10年・20年後には国民健康保険でカバーされる医療行為では全然足りないという事態に変わっていく。
その頃には医療保険業界はマーケットの拡大とともに確固たる地歩を築き、国民健康保険のカバー域を低く抑えこませる強力な圧力団体として存在するようになるだろう。

その他色々指摘されている難点を無視してまで得られるのは、せいぜい一時的な競合国に対するアドバンテージ?
それは金融緩和で得られた円安よりよいもの?

自由貿易で豊かになるという議論もあるだろうが、そもそも失業があふれる過小需要のもとでその議論が成立するかよく考えてるのだろうか?*2

わからん

*1:輸出企業が儲けた金を国内に持ち込もうとすると円高圧力になる。利潤を海外で再投資すれば円高圧力にはならないが、その場合、企業の利潤は日本国民の福祉とはほぼ無関係になるだろう

*2:派遣労働法のもとで若年層の購買力が弱いという構造的問題を日本の消費構造は抱えている。経常黒字を儲けても、購買力の増強に繋がらず、消費が伸びない結果、輸入が伸びず円高圧力がかかる。それを避けた企業が海外再投資すると国民の購買力はやっぱり上がらないという悪循環

雇用規制

戦後、世界の労働法規は、人夫出しを禁止する方向に向かった。
雇った人間を派遣して、うわまえをはねる商売は禁止。

円高バブル崩壊後の後遺症に苦しんだ日本は、これをなし崩しに緩和してきた。
これによって若年雇用がある程度守られたんだという人もいる。
本当にそうだろうか?
規制が変わらなければ中高年が今よりがむしゃらに働いて、今より若者を雇用しなかった?
まさか。
海外に流出するはずだった雇用が救われた?
本当に?
厳しい解雇規制等によって労働コストが高いままだった場合、それは製品価格に転嫁されただろう。
輸出価格が高ければ、売上も縮小しただろう。
輸出が減少して国際収支の黒字が減れば、あるいは赤字になれば、円高には振れなかったのではないか?
若者から奪った賃金は結局円高でチャラになってしまったんではないか?
その代わり、派遣労働者スキルアップが望めず、日本の技術力の将来に暗雲を投げかけ、
若年層の購買力の低下は、小売業の長期不信を固定化し、デフレを促進させただけではなかったのか?

一番戯画的なのは将来不安から若者は車を買わず、国内市場が縮小していること。国内市場の縮小はいずれ国内開発力の低下に結びつくかもしれない。


アベノミックスはこれらを反転させてくれるだろうか?
自民党政権じゃぁ労働規制の再強化を望むべくもないよなぁ

労働基準法

(中間搾取の排除)
第六条  何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。


職業安定法

(労働者供給事業の禁止)
第四十四条  何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。

(労働者供給事業の許可)
第四十五条  労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。

過去記事:労働所得を誰がコントロールするのか - 科学信仰

あけましておめでとうございます


んで、第一声なんだが。


eInk端末使ってみたい!
キンドルとか。
軽くて持ち運ぶ気になりそうだし! 書籍購入も手軽そうだし! 目に優しそうだし!
安いから外使いしても壊しそうって小心者なストレスが無視できそうだし。
本読むだけだから他の機能とかどうでも良いし。


んが、
”1ページごとに画面のリフレッシュ”ってのがなぁ。あれがイヤで二の足踏んでる。
本読んでる感がすごい減殺されそう。てか気が散る。
使えば慣れるのかなぁ。


あとアマゾンがすげー儲かってそうなのに法人税払ってないってのがイヤ。
かといって楽天のゲスい商売もイヤと。


寡占状態に良いことはひとつもないんで、電子出版市場においても、アマゾン以外にはぜひ頑張ってもらいたいんだけど…。


今年はどんな年になりますかねぇ。
電子出版盛り上がる?

リフレ派なオレが自民を見限り敢えて民主に投票する理由

明日はいよいよ衆院選
リフレ派なオレとしては、安倍さんの政策が一番理にかなってるように思う。
反面、安倍さんが緩和政策を維持し続けられるか不安。
金融緩和政策が景気に効いていく経路で最初に起きることはインフレによる実質賃金の低下だろう。それと、実質金利の低下。普通預金では目減りするような。インフレで好景気になり、好景気起業から賃上げなんてことが起こり出すまでおそらく3年。次の衆院選挙だ。
その前にマスコミは叩くだろうねぇ。緩和政策。インフレだ大変だ庶民の生活ガー。
それでもやり遂げないとならない。インフレ期待を定着させるまで。


インフレが定着するとタンス預金も世間に還流してくる。国債金利も上がる。
タンス預金の還流でインフレが加速するかもしれないし、金利上昇を見越して外人は国債を売り浴びせる。国内金融機関の中には評価損を抱えきれなくなるところも増えていくだろう。
それでもやり遂げなくてはならない。


お腹がピーだった宰相に任せられるのだろうか?やり遂げられるのだろうか?
まあ、体調が精神に及ぼす影響は人が思うよりはるかにでかいわけで、「良い薬」で安倍さんが決断と信念の人に変貌してるかもしれないわけではあるけれど。


そして何より気がかりなのは、安倍さんは国民福祉が今後のGDP成長の鍵だということがわかってないんじゃないかということ。
っても、国民福祉が今後のGDP成長の鍵だってのはオレの考えなんだけどね(笑)


何時まで経っても労働市場軟調なのは、要するに供給過剰だからなわけだけど、需要超過させるには福祉しか無いと思うんだよね。
もちろん、列島改造の頃の「消費は美徳だ」な路線でも良いのだけれど、たぶんそれはもう時代にそぐわない。
北欧諸国のごとき高負担高福祉だけが、さらなるGDPの成長、ひいては安倍ちゃんの好きな「国力」を増大させる唯一の道。

アンド、ヒステリックな脱原発も日本のためにならないよ。(長期的には廃止しかないと思うが、政治的に見て)
――と考えると、消去法で、民主党しかないんだよなぁ。共産党でも良いのかもしらんが。
よくわからん…