NHKのNEXT WORLD(第1回)を見た

NHKスペシャル|NEXT WORLD 私たちの未来
NHKスペシャル|ネクストワールド 私たちの未来第1回未来はどこまで予測できるのか

門外漢なのでよくわからないのだけれど、ヒット曲予測なんて、セールスという形で適応度が明確に数値化されている学習データが大量にあるのだから、適切な特徴量抽出さえ出来れば、機械学習の課題としてはそんなに難易度高くないんではなかろうか?


まあ、何が言いたいかといえば、この番組で扱われている「未来予測」なるものは少なくとも2015年現在においてはパターン分析にすぎないんじゃないかということ。
番組では警察署で市内の碁盤に分けたエリアのどこで犯罪が発生するかという予測ソフトの驚異的能力とかやってたけど、予測はするけど理由は提示しないんだそうだ。
伝統的な主成分分析の第一主成分が何かという事を記述することがパラメータが増えてくると困難になっていくように、高次元特徴量に基づく御託宣は、「今日はこの界隈で犯罪が起きる可能性が高い」と言うことは出来ても、何故そうなのかまではわからない。過去のデータ蓄積、直近の発生犯罪データ、天候、日付あたりから判断しているのだ程度の漠然とした説明しかできないのではないか? それならばそれは分析に使う要素そのものの記述でしか無い。
この機械が提供してるのは蓋然性の数値化であって未来予測ではない。2045年の機械が渋谷での出会いを予言してくれたとしても、それは「出会い」が渋谷で多発しているという蓋然性の提示でしか無い。演出過剰。


むしろ、そういうコロンブスのタマゴ的なアイディアを実現して例えば音楽産業に売り込む開発力と営業力が背後にあるのだろうなと思い、そして役に立つとなればどんどん採用していく姿に強い感銘を受けた。功利主義の長い伝統みたいなものがやっぱりアメリカにはあるのだろうなと。オレの中の確証バイアスっぽい気もしないでもないけど


しかし、このヒット予測なるものは、単に統計的に大量の既知データを処理してるだけだから、新しいヒットジャンルを見つけるには寧ろ障害にーーいや、ならないかな。
コンピュータに頼ろうが頼るまいが頭の固いレコード会社より、YouTubeアップロードの方が新しいジャンルのヒットは生まれやすいかもしれない


新しいジャンルが生まれてしまえば、コンピューターは、それを統計処理して、高次元特徴空間にマップするだろう


アメリカ人は概してプレゼンが上手いから、純朴なNHKのプロデューサーがそれにノセられてるって蓋然性が排除できない(笑)
とかいって