サマーウォーズ
『サマーウォーズ』をレンタルビデオ屋で借りて観た。
レンタルでアニメ見るなんて何年ぶりだろ?
数年前に近所のレンタルビデオ屋が閉まってからまったく利用してなかったからなー。
- 出版社/メーカー: バップ
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面白かった。
単純に良く出来てるストーリーテリングと演出。
御伽噺のような展開。
わくわくする。
で、映画の本筋とは関係ないんだけど、
最近の日本を覆っている雰囲気を代弁するような設定だなーと思った。
徳川の上田攻めを撃退したサムライの末裔でかつては生糸で栄えた家。
そこにあるのはクールジャパンとかネトウヨな文章とかでしばしば言及されるようなサムライへの憧れ。
大家族で、皆が子供を持つことの幸せ。
これは少子化への不安を反映したものなんだろう。
それがあたりまえなんだ。みんな子供作ろうぜというアジテーション。
皆のために自分の持ち場を守って「一所懸命」働くことの美徳。
クレーマーやモンスターなんとかに代表される利己的な精神の対極に日本の文化があったはずだという確信。
これらは旧い日本の文化を懐かしむとか保守的に守り受け継ごうという気概とは違う。
旧い日本の文化から毒抜きして美しいところだけを提示しようという意図は感じられない。
うん、これは多分「あこがれ」なんだとおもう。
うざかった事も酷かった事も既にとおく、――というよりむしろ、自らは体験した事のない旧い世代の別の国の文化のようになってしまっているんだなと。
現代人からの祖先の文化へのあこがれ。
『逝きし世の面影』では江戸時代末期〜明治初年の日本を、すでに喪われた文化であるとして記述していたけれど、
今では、一般の人々にとって明治〜昭和の日本の文化がもはや既に喪われ、『逝きし世』となっていることを示しているのではないか。
旧い時代の旧弊に言及する必要性すらなくなったことにそれは現れている。
――というのは考えすぎだろうか?
- 作者: 渡辺京二
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とはいえ、『竜馬伝』とか『坂の上の雲』をもてはやして過去の栄光に浸るより、こういう楽天的な映画から旧い文化に倣って日本を元気にしようという気概が生まれてくることになればよいなーと思う。
『武士の家計簿』って映画、今ロードショー中だけど見てみたいな。
原作はとても面白かった。こんな文化研究の本がまさか映画になるとは思わなかったけど。
うん、おいらにも祖先の国への憧れがあるのかもしれない。