4次元知恵の輪

さて、上のエントリの引用元、スラッシュドット本家サイトのコメント欄にこういうのがあった。

I don't see how adding another dimension can magically allow two objects to become linked when they were unable to be linked in a lower dimension. Two circles on a piece of paper cannot physically merge with each other if you assume their boundaries are solid and cannot pass through each other. Neither can 2 rings lain on a table, or two cylinders or two spheres be overlapped without breaking them somewhere. So how would adding another dimension allow you to join two 3D objects with a hole in the middle, even if you only moved one of them into this higher dimension?

http://games.slashdot.org/comments.pl?sid=1601938&cid=31687568

すぐ下のリプライでフォローされてるけど、ちょっと考え込んでしまった。
3次元で外すことが不能な鎖は、4次元では外すことができるのか?


まてよ。
上のエントリで触れた4次元迷路のマップ表示を使えば直感的に調べられるんじゃないのかしらん。


で、考えたのが下図。


ちょっと判りにくいかもしれないけど、これは右図のように青くて四角い輪と赤くて四角い輪が絡んでいる状態を、3層に切って図示したもの。


青い輪を含む平面を「2階」、赤い輪の下辺と上辺を含む平面をそれぞれ「1階」と「3階」としている。
各階の図の上下方向(奥行き方向)をY軸、左右方向をX軸とする。各図間の方向(各階方向)をZ軸とする。


この「各階平面図」で青い輪を3階方向(Z軸正方向)に動かそうとすると青い輪のA点の辺が赤い輪の上の梁(B点)にぶつかってそれ以上移動できないことがわかる。
同様に青い輪を1階方向(Z軸負方向)に動かそうとすると、今度は赤い輪のC点にぶつかってそれ以上移動できない。(図を書くとき間違えた。赤い輪の下の梁の位置が1枡下にずれてる)
青い輪を奥(Y軸正方向)に動かそうとすると赤い輪の奥の柱にぶつかるし、手前(Y軸負方向)に引けば赤い輪の手前の柱にぶつかる。左右に動かしても同様に赤い輪の手前の柱にぶつかる。
つまり、3次元ではこの二つの輪は外せない。


さて、いよいよ、これを4次元に拡張してみたのが下図。


赤い輪には4次元目の方向(以下W軸と呼ぶ)にも構造があることにした。
そうしないと簡単すぎてかえって説明が難しくなる(笑)
青い輪を図の「第1層」の方向(W軸負方向)に移動させようとするとD点に、「第3層」の方向(正方向)に動かそうとするとE点にぶつかる。

この赤い輪はY-Z平面で見る*1とアルファベットの'O'型になっていて*2切れ目がないけど、Y-W平面で見るとアルファベットの'G'のような形になっている。
つまり切れ目がある。
わかるかな?


だから青い輪が切れ目を通るようにすれば良い。
具体的には、青い輪を1マスだけ奥行き方向(Y軸正方向)に移動させてから、「第3層」の方向(W軸正方向)に移動させると、切れ目を通って外すことができる。


どんとはれ。


同じくスラドのコメント欄から:

xkcdの漫画、面白い。時々ワケわからんけど(笑)

*1:Y-Z平面に投影して見る…と書くと難しいけど、要は横(X軸方向)から見るって事だね

*2:「各階平面図」を書くとき間違えてO型じゃなくてσみたいな尻尾が出た形になっちゃってるけど