インフレ批判

円安のもとで輸入物価が上がって価格転嫁できない企業の収益が圧迫されているという批判がやっぱり出てますねぇ*1
価格に転嫁できないのは、供給に対して需要が過小というのが主要な要因だろうけど、予想インフレ率が限りなくゼロに近いからという面があるわけで。もしもインフレ率がそれなりの大きさの正の値であれば、コスト上昇分の転嫁は需要に対してインパクトが小さくなるはず。だから予想インフレ率を上げるためという観点からは円安のもとで輸入物価が上がるのも望ましい。
そしてインフレ率がそれなりの正の値をそれなりの期間維持すれば賃金上昇圧力になり、インフレの潤滑油効果も生じてくるはず。インフレの潤滑油効果というのは失業率の改善に対して言うらしいけど、失業率だけでなく、種々の物価の適性水準を探る市場の機能に対してもインフレ(の潤滑油効果)が必要だという気がすごくするんだよね*2

*1:インフレ自体を批判してるわけじゃないのはすごおい進歩だけど。アベノミクスっていうキャッチコピーの絶大なる宣伝効果だね

*2:ただし、これはオレのカン(笑) 賃金の下方硬直性による「市営バス運転手の高すぎる給与」とかデフレ補正されなかった年金の「過剰支給」とかはインフレが解決すると思うし、デフレで価格転嫁しにくいってのもインフレが潤滑油になるんじゃないのと