粉飾決算だろうか?

id:satohhideさまのところのエントリ「熱帯林がCO2排出削減の粉飾決算に利用される危機」を読んで:

当該番組を見ていないので、なんともいえないのだけれど…

通常、熱帯雨林はその存在自体がカーボン・ニュートラルなのではないかと思う。
土壌の有機成分(炭素)は速やかに分解され、森林の生態系に再利用されるので、季節変動等はあれど、長期的にみれば収支ゼロ。
一方、寒冷地の泥炭湿原などは海洋への吸収などに比べれば微々たるものではあれ、大気中の炭素収支的にはマイナスだろう。

熱帯泥炭林というものの存在を今まで知らなかったのだけれど、名称から類推するに、これは高層湿原の如く炭素定着メカニズムがあるという事なんだろうか? だとすると喪失は大気中の二酸化炭素濃度にそれなりのインパクトがあるような気がする*1
伐採・乾燥化・火災により二酸化炭素排出量がトータルで日本の年間CO2排出量に匹敵するというのであれば、早急に誰かが対策すべきだし、そのインセンティブとして排出量取引の仕組みが使えるのであれば使ったほうがよいのではないかと思った。
もちろん、短期的な対策で日本の年間排出量をチャラにしてしまうなんてのはインチキとしか思えないけれど、年間の炭素定着量の客観評価が可能なのであれば「全然アリ」なのではないかという印象を持った。

*1:炭素定着のメカニズムの有無をぬきにしてもどんな種類の熱帯林であれ、森林自体の水蒸気循環&気候に及ぼす影響も重要だし、生物多様性を考えてもその喪失は我々人類の福祉・存続に対して一定のリスクになると思うけれど