労働所得を誰がコントロールするのか
日米の自動車生産現場の労働者の賃金比較とかぐぐると唖然としたりしてたよね。
日本の自動車工場で働く労働者の時給を自分の作った車も買えないほど低下させておいて、国内販売不振とか言ってるのは、メーカーの自業自得と笑う。…のはしかしちょっと待って欲しい。
id:sunafukin99氏が書いているように:
企業は金儲けに専念
これが基本。
市場を完全支配できる独占企業でもない限り、派遣が使用できてコストが下げられるなら、その選択肢を忌避する事は出来ない。
企業間競争があるんだから。
好況期に労働分配率が低下して国内が好況の恩恵を受けられなかったとしたら、それは多分に規制を緩和しすぎた政府に責任があるのではないか。
あと、もうひとつ疑問。
過去何十年も趨勢として円は高くなりつづけてきたのに、円高に耐えられて最低賃金引き上げに耐えられない?
ちょっと変だよね?
円高になるたびに輸出企業ががんばって国際収支の黒字を維持し続けてきたからこその円高定着じゃなかったの?
日本に必要なのはむしろ過剰消費による貿易赤字じゃないのかしらん?
平成19年賃金構造基本統計調査
男性、賃金階級、年齢階級別労働者数割合(XLS)
20代前半男子の賃金、中央値が20万切ってるのね。
それよか全世代の中央値が(好況期でも)毎年じりじりさがって、いまや30万切ってるってのも、すごい長期低落傾向だねぇ。
もちろんデフレで貨幣価値が上がった事を忘れちゃいけないわけだけど、名目賃金が下がって家計心理は防衛一色(PDF)だよね。
第一、本来下方硬直的な賃金を下げるために、いろんな軋轢が起きてる事を忘れちゃいけないと思う。
やっぱり、インフレ・マンセーだよな。
可処分所得と消費支出
もっと長期の傾向が見たいけど、いったん右下にシフトすると回復しない傾向が見える気がする。
これって、インフレ(に伴う名目賃金上昇傾向)になったら、どう動くんだろね?
見てみたいなあ。