混合診療反対

NBオンラインの該当記事のコメント欄に書こうと思ったけど、目にする読者に対して説得力を持ちそうもないと思ったので(笑)こっちに書く。

さて、混合診療に対し、皆さんはどのような意見をお持ちでしょうか?「混合診療は原則解禁すべき」と考える方は「Yes」に、「原則禁止すべき」と考える方は「No」に投票してください。その際には、その理由についてもコメントしていただけますと幸いです。

混合診療は原則解禁すべき?:日経メディカル オンライン

原則反対。
医療技術の進歩に対してある程度の足枷になるのは間違いないだろうし*1受けたい医療が受けられないかもしれない。それでも、最大多数の最大幸福という観点からは、現状の方がベターに思える。
人間は他者との比較でしか自分を測れない生き物だから*2
自立とか自己責任とか言っても、本質は変えられない。
混合診療解禁によって高度医療を受けられる人間が増えたとき、それでも受けられない人間や受けさせられないその家族は間違いなく不幸になる。高度医療を受けている人間を以前より身近に見聞きする事になるから。
行動経済学で言う参照点依存性の問題。


だから、これに関しては、ブータンの「GNH(国民総幸福度)」に学んでも良いんじゃないかな?と感じる。
人はいずれ死ぬ。それは避けられない。死に瀕した人には諦観が切実に必要なんだと思う。切実に。
その心をいたずらに乱す制度を設計して良いものか…。*3


それを言えば、保険適用外の先端医療の存在自体がすでに(参照点として)問題になってしまうわけなんだけど…。


おいらはリーマン・ショックからまもなくの頃に(事象として無関係だけど)自転車で事故ってから、結局完全治癒とはいえない状態でリハビリを終了した。
まあ、おいらの場合、後遺症は日常生活にほとんど支障ないレベルなんでリハビリを続けたかったかと聞かれれば、本当に必要とする人を押しのけてまでやりたいとは思わないと言うのが正直なところ。有給休暇も心細かったし。(病気休暇を有給と別枠で法制化して欲しいなぁ)
ただ、リハビリ外来にはおいらよりずっと大変そうな人が何人もいた。
彼らが機能向上や維持のために行っている治療を6ヶ月で打ち切られるのは確かに間違ってると思う。
でもそれは「保険外併用療養費制度」で逃げられるような話ではなく、本来的に保険適用すべき事例なんだと思う。


財務省からの圧力で厚労省は点数削減や保険適用期間圧縮を毎年行ってきたわけだけれど、そろそろ限界なのではないだろうか?
これ以上は国民の福祉安寧にかかわる。
財政負担とかプライマリーバランスとかで煽られて後退させちゃいけない。


そのためにも景気回復&デフレ脱却政策が急務

*1:こちらのエントリ考え方が揺れた

*2:説得力を持ちそうもないと思ったのはこの言明部分。説得しようとするとその分量で本が書けそう(笑)

*3:本人の生存への希求だとは限らない。家族の気持ちやそれに対する本人の気持ち...etc.