量子もつれが相対論を脅かす

…という記事が日経サイエンス今月号に載っている
内容的には、EPRパラドックスから主張される非局所性が特殊相対論と矛盾するって事なんだと思うけど。
これって単純に多世界解釈で良いんではないんだろうか?
ここで主張されているように実在論か局所性のどちらかを選ぶ事はできず量子力学には非局所性が不可避というなら、EPRを否定するために(?)ボーアが主張したような実在論の否定は必要ないというか。
多世界解釈というか配位空間の実在を認めてしまうというか。*1

りんごを縦に切れば縦の切り口が現れるし横に切れば横の切り口が現れるように、アリスが上向きのスピンを観測した事で得られる世界の断面(高次元空間の4次元部分空間? あるいはデコヒーレンスが実現された空間?)ではバズが縦方向のスピンを観測すれば必ず下向きになる。
アリスとバズに対して高速で移動してる観測者にはバズの観測が先行してるかもしれないけど、そんなことは世界の「幾何学的な(≒実在論的な)構造」とは何の関係もない…。

*1:高次元で記述される空間の「実在」を認めてしまうことが何を意味するかはかなり深遠な問題をふくんでいるのだけれども