言語は発明されたものか?

上のエントリで「高度な言語の発明により?」と書いたけど、言語は発明されるものだろうか?
音声コミュニケーションは人類以外の種でも珍しい手段ではないし、言語はこういった音声コミュニケーションから次第に
発達していったと考えるのが自然だと思う。
我々の脳の処理には言語能力が生得的に備わっていると考えられる証拠はさまざまあるし。


でも、例えば数学的能力はどうだろう?
有史以前には恐らく高等数学を必要とする環境にはなかったから、数学というのは明らかに後から発明されたものだろう。


おそらく言語能力の獲得が「前適応」となっていて、単に数学は発明されるだけで行使する事ができた。つまり数学を駆使するための新たな形質の獲得は既に不要になっていた。


だとすれば、恐らく小集団で暮らしていた人類の祖先たちの音声コミュニケーション(どのようなものかは判らないが)を理解する能力が前適応としてまずあり、そこに集団内で共通化された文法構造を備えた言語というイノベーションが起きた時、急速な(断続平衡的な)言語自体(および言語能力の?)の進化が発生した――と考えるのはひょっとするとそれほど無謀ではないかも知れない…。


ていうか、そもそも5万年前という相当新しい時代を、言語みたいな複雑なものの獲得の時期に想定するのは、かなりびっくりなんだけど。どういう根拠があるんだろう? まさか芸術(や宗教)の痕跡=言語能力獲得の証拠ってところから、芸術(や宗教)の痕跡がない=言語がない、なんて乱暴な推測をしてるんじゃないだろうな?