Genetic Algorithm

オオコノハムシっていう東南アジアに棲んでる虫の形態ってのはすごい葉っぱそっくりなのね。
葉脈の形や枯れた部分まで葉っぱそっくり。


高次元の適応度地形には、局所ピーク(丘)より鞍部(峠)の方が圧倒的に多いのではないかと思う。
いわゆる「次元の呪い」で。
これが、「信じられない」という気持ちが生まれる背後にある(数学的な)理由で、そしてこれが、それでも局所ピークに生物が到達する原理ではないかと、直感的に思った。
低次元への写像(≒我々の理解力)ではまるでピークにしか見えない鞍部が無数にある。


もちろん直行した各変数にそれぞれピークがあれば高次元空間でのピークは必ず存在するわけで。
だから、鞍部には必ずより高い場所(より適応した状態)への遷移方向(尾根)が必ずあるということになる。
これが次元の呪いを越えて生物がちょっと信じられないような適応をおこなう仕組なんだろな。


適応度地形の中で昆虫がとりうる形態ってのは離散値の場合はそれそれの独立変数のとりうる値の数の積になるから、(計算機では実質的に計算不能なほど)ものすごい膨大(=次元の呪い)なのだけれど、
淘汰圧によって局所最適に向かう方向が必ずあり、あらゆる「鞍部(高次元だからとっても複雑)」を乗り越えて驚異的な擬態が生まれる…事もある。
あくまで局所最適だから、その先にさらに高いピークがあったとしても、表現形の分散の範囲内にそちらに向かう上り勾配が存在しない限りは到達できないからね。


ところが計算機の中でおこなうGA(遺伝的アルゴリズム)では個体の数が貧弱だから高次元の鞍部にある極わずかな上り勾配に位置する個体を得る確率はとっても小さい…っていうか、そんな状況になるほど次元を上げられないんだけどね。