なぜ美人は少ないのか
これも以前、某翻訳掲示板であげたネタなんだけど。
Dienekes' Anthropology Blog: Chinese, Korean, Japanese
「平均顔」は美しく感じるという事実があるよね。
うん。事実と言って良いと思う。上の画像は中国人・韓国人・日本人の平均顔らしいんだけど、おれらが知ってる普通の中国人・韓国人・日本人に比べればなんだか美人に見えるよね。
Face Researchってサイトがあって、"Make An Average"というデモページに行くと、そこに上がってるたくさんの顔を自由に組み合わせて平均顔が作れる。たしか登録すればアップロードした顔も混ぜられたと思う。
で、サンプルの中からおいら主観でわりと「個性的」と思える人達(下の画像)を選んで平均顔を作ったんだけど。
↑画像をクリックすると拡大します[f:id:Cru:20100619131739j:image]
画像が小さすぎて判りにくいんだけど。
クリックすると拡大するんで、ちょっと見てみて欲しい。
個性的でしょ?
で、できたのが、下の顔:
なんか選んだ人達の個性が消えちゃって、「美人」になってるよね。
どんな顔を組み合わせても、それなりの枚数を組み合わせれば、それぞれの個性が消えて、似たような美人になる。
興味がある人はやって見ると良いと思うよ。
平均顔なんだから、個性が消えるのは予想の範囲なんだけど。
個性が消えると美人になるのな。
そこで異性の配偶者の選好傾向に対する進化論的な淘汰圧を巡って議論するのも一興なんだけど。
あるいは、脳内の平均顔を中心にした識別処理に対するストレスについて論じても良い。
だけどその前に、ムクムクと頭をもたげてくる疑問がない?
平均的ってのは平凡って事だよね。
一番多いって事だ。
「平均顔」が美人なら、世の中美人だらけにならないか?
顔の形を決めてる要因ってのは遺伝的にも環境的にも無数にあるだろう。
そういう場合のデータの一番ありうる分布は正規分布だよね。
平均あたりが一番高くなる釣鐘型のグラフ。
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でも、美人の分布(笑)はそうなってない。
そうなってる!って言う食域広い人も中にはいるとは思うけど。so good for you.
で、基本に立ち返って、「美人ってなんだろう?」というところから考えてみたい。
ぼくらが美人について論評するときに問題にするのは「目の大きさ」とか「鼻の形」とか「顎のライン」とかについてだよね。
つまり、パーツの美醜。あと各パーツの位置関係というかバランスね。
言葉を変えれば、各パーツの平均*1からの乖離。
逆に言えば、「個性的」な顔というのは、いろんなパーツの「平均」からの乖離があるってこと。*2
だから、
いろんな要素のいろんな方向への平均からの乖離を均してしまうので、
上の例のように「個性のない」美人ができてしまうわけだ。
逆に言えば、すべてにおいて平均点をとる必要があるという事。
多分、顎の長さと鼻の形には相関は少ないだろう。
頬の高さと鼻の下の長さにも相関は少ないだろう。
つまりそれぞれ独立な事象について平均点をとらなければいけない。
たとえばそれぞれの要素の平均との乖離が度数で50%(つまりそれぞれの要素については全体の半分の人が入る)であることが美人の条件であるとしても、20の要素がすべて平均点をとらなければ「美人」と感じられないのであれば、任意の人が美人である確率は
0.5の20乗=100万分の1!
- 顎の長さ
- 顎の幅
- おとがいのしゃくれ具合
- 鼻の下の長さ
- 口の幅
- 上唇と下唇のバランス
- 口角の高さ
- 鼻の長さ
- 鼻の幅
- 鼻翼の形
- 鼻翼の大きさ
- 鼻尖の太さ
- 鼻骨と鼻中隔軟骨の接続(鷲鼻)
- 鼻の上向き・下向き加減
- 豊齢線の深さ
- 頬骨の高さ
- 瞼の厚さ
- 両目の間隔
- 眼裂の形
- 白目と黒目の比
- 顔の左右対称性
- etc.etc...
みんな意識はしてないと思うけど、このくらいは無意識に美醜判断に影響してると思うんだ。
だから、美人は少ない。
どんとはれ